Concept　

敷地は大阪市。
昔ながらの民家が建ち並ぶレトロ感漂う街並みの住宅街にあります。
建築主様は30代のご夫婦で現在も計画地近くの賃貸マンションにお住いです。
瀟洒なデザイナーズマンションなのですが、どういうわけか要所にエアコンが設置できず、
今夏の酷暑にマイホームがほしいとの思いを強くなさったとか。
実は、ご主人様は毎日出勤時にこの敷地の前を歩きながら、
「いい場所だなあ」と眺めていらっしゃったそうです。

そんなある日、この土地を含む一帯が売りに出され、お父様の心強い後押しもあって、
ついにお二人は家づくりのスタートラインについたのでした。
聞けば、初めてご依頼の連絡をいただく数ヶ月前から当サイトをご覧になり、
お気に入りの完成写真をご自身でプリントアウトしてお部屋の壁に貼り、眺められていたとのこと。
光栄です。

テーマ ：『たずさえる家』

最初の打ち合わせでうかがった
　

という奥さまの言葉がなぜか強く心に残りました。

運命に導かれながらも互いに手を携えて歩いていこうとするお二人の静かなる意志を感じ、

たずさえる家と名付けました。

近接した隣家からの視線を避けるため、中庭とデッキを囲むコートハウスの形をとっています。

模型を作ってみると、どこにでも持っていける、まるで小箱のようなその姿を表す意味も込めています。