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『忍者の家』
建築家のアイデアによる仕掛けですっきりとした空間を実現。
大阪府堺市／忍者の家
「扉があるのに無いように見える」、「部屋があるのにどこから入るのかわからない」、そんなからくりが随所に
仕掛けられている『忍者の家』。
建主の要望を柔軟な発想で実現した建築家・小川一さんのアイデアを紹介しよう。
大阪府南部の閑静な住宅地に建つ『忍者の家』。建主であるＫさご夫妻は、結婚後マンションで暮らしていたが戸建てを建てようと慣れ親しんだ街で土地探しをはじめて2年、ようやく現在住む敷地を見つけたという。
和風の木の家を建てたいと考えていたＫさんは、建築家・小川一さんのホームページを見つけて小川さんの家づくりに共感し設計を依頼することにしたという。「結婚した時から家を建てようと決めていて、マンションではなるべく家具を持たないようにしていたんです。収納用も含め、家具をなるべく置かないようにしてすっきりと空間にしたかった」というＫさん。その要望を小川さんに伝えようとした「すっきりとして忍者のような佇まい。何もないような、その存在さえも隠してしまいたい」というＫさんの言葉が家づくりのコンセプトを決めることに。一見するとモダンな木造2階建の住宅なのだが、内部には様々な仕掛けがある。仕掛けは空間をすっきりと見せ、より広く感じられる効果をもたらす。Ｋさんが望んだ木材の適材適所を考慮しながらふんだんに木材を使った木の香りがする心地良い空間。楽しみもあり、心を癒す理想の住まいを実現した。
写真右上／リビングでのひとコマ。撮影時は近所に住む子供たちが遊びに来ていた。子供たちにとってはなんとも魅力的な空間のようで、家の中をあちらこちら移動して遊んでいた。奥様の対面に座っているのは建築家・小川一さん。
写真左上・下／2階廊下の壁に隠されている回転扉を入ると中は収納スペース。収納スペースの上部にある窓枠を引き上げるとその中にはご主人のための隠れ部屋が。一見すると灯取りのように見える窓の奥に小部屋があるとは、まさに忍者屋敷のような仕掛け。
写真左下／閑静な住宅街の南東角地に建つ。もともと石垣に囲まれた道路より2ｍほど敷地レベルが高かった形状を生かし、アプローチは外部階段を少し上がって玄関へ行くようになっている。和風のシンプルなデザインで屋根は瓦葺き、外壁は桧板・マジックコートＨＭ仕上げ吹付け・コンクリート打放し化粧。
〜アイデア住宅〜より引用