2009.1.29

ミナミ・ピンからキリまで
　

2009年はのっけからスタッフ日記４連発でお茶を濁し、実にこれが今年初めての「ひとりごと」。

毎年末、スタッフと忘年会を催すのだが、皆それぞれに忙しく、忘年会は新年会へと持ち越しになった。
しかも、やっと皆のスケジュールが合ったのがすでに１月末。
会場はいつもリクエストを募るのだが今回は私の独断でお気に入りの店をチョイスした。
スタッフたちには事前に「半屋外なので暖かい服装で来るように」とだけ連絡しておいた。
怪訝な顔で集合場所に現れた皆を促して店の間口いっぱいのビニールカーテンをくぐると．．．

ドギツい赤の化粧合板の腰壁とテーブルが目に飛び込んでくる。
ねずみ色の背広姿と、お客なんだか従業員なんだかようわからんゆるーい感じの店のおっちゃん達が醸し出すディープな雰囲気。
焼き物担当のおっちゃんに多国籍軍ウェイトレスがオーダーを叫ぶ声が飛び交う。
角地にないのに「かどや」とはこれいかに。

タイミングが良かったらしく奇跡的にテーブルが一つ空いていた。４人掛けに５人で座るので窮屈だが、この際贅沢は言っていられない。とにかく、ここへは身軽で来るに限る。上着、カバンなどはたちまち取り上げられ、天井すれすれに取り付けた電車ばりの網棚に乗っけられてしまう。
席に着くのもそこそこに「ビールデスカぁ〜？」と中国訛りのお姉さん。
ええっと．．．まだ何も言ってないねんけど．．．
と一瞬躊躇している間にビール（しかも大びん）が
ドンっとテーブルに置かれる。
やわらかく炊いた熱々の豚足、焼き肉、焼き鳥を秘伝のたれにつけて頂く。たれに入れるねぎと付け合わせの生キャベツは食べ放題。なくなると黙っていても手づかみでわっさーっと入れてくれる。

ビールも飽きたから熱燗でも．．．と思い、メニューを見上げると．．．

　

「一級酒・二級 酒ってどう違うの？」お姉さんに尋ねたら
「イッショデ〜ス」と言うが早いが次の瞬間、湯せんであたためたアルミのちろりが出てきた。
しまった、ここでは安易にメニューの名前を口にできない。すべてオーダーされてしまうから要注意。

　

一級なんか？二級なんか？

ひときわ目を引くのがこれ。

つまり、ご飯もののメニューはない。近所のコンビニで買ってこいということだろう。

そこで、スタッフの一人が「私、何か買ってきます。」

と買い出しに出かけた。

５分後．．．

サトウのごはんで満腹になったところで、２次会へＧＯ！

*　　*　　*

さて．．．ここはどこでしょう？


（マウスカーソルを合わせると電気がつきます）

スイスホテル南海大阪　イタリアンレストラン＆スカイバー　「タボラ36」
　

長いことかかってドリンクメニューをめくっているが、ウエイターは誰も「ビールデスカぁ〜？」
とは聞いてくれない。
眼下に広がるミナミの夜景を眺めながら華やかなカクテルや重厚な赤ワインをそれぞれに傾ける。
さっきのかどやは一体どのあたりだろう。
解散後、帰りの電車でスタッフから届いたメールを開くと
「ミナミのピンからキリまで堪能しました！」とな。なるほどピンキリ、言いえて妙である。

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