京町家を意識したこだわりの住まい 

「食事の時間が家族の一番大切な時間」という建主の言葉から生まれた『味わう家』。栄養士の資格をもち、料理をすることが大好きで将来は料理教室を開くのが夢だという奥様。毎日の楽しい食事の時間をより充実したものにするために、建築家・小川一さんは大きな食卓カウンターを家の中心となるLDKに設けて、「食事の創作を楽しみ味わう」空間を実現した。2フロアに分けられた内部は、「家族がどこにいても互いの気配が感じられるようにしてほしい」という要望からLDK上部を吹き抜けとし、田園風景が眺められる東側に大きな開口を設けた。開口の向こう、上下左右に広がるパノラマの風景は主な居室のどこからでも眺めることができ、まさに田園の眺めを味わう〞ことができる空間となっている。この開口に合わせて2階東側にいは一面のカウンターが備えられ、各個室とはすのこ廊下でつなげられている。空間構成については、「吹き抜けを通して室内の眺めを味わう〞ことができるようプランニングした」と小川さんは話す。空間のデザインコンセプトになっているのは京都の町家。建主の好きな京町家風の雰囲気を、通り土間の玄関や内外部に用いた格子、内外部の色彩によって表現している。
 

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